TAの創始者 Eric Berne(1910-1970)


カナダのモントリオ-ルで生まれた。ポーランド系ユダヤ人。父親は開業医、母親はジャーナリスト。彼は幸福な子供時代を送ったが、父親は彼が8才の時発病し、11才の時死去した。野心的な母親に奨励され、バ-ンは医学部に進学し、1935年に医師免許を取り、直後にアメリカに移住し、市民権を得てエリック・バ-ンと改名した。

1941年、精神分析医になるためのトレ-ニングをポ-ル・フェダ-ンのもとで開始。
1943年、アメリカ陸軍軍医として第二次世界大戦に参加、この時代に集団療法を開始し、精神医学と精神分析についての批判的注釈をまとめ始めている。これが後年の著作の基盤を形成する。
1946年、除隊後エリク・エリクソンのもとで分析のトレ-ニングを再開。
1947年、最初の著作“The mind in Action”→改定57年“A Layman’s Guide to Psychoanalysis” を発表した。
1956年、精神分析医の資格申請をしたが却下された。これが刺激となり、独力で進む決意をし、心理療法への新しいアプロ-チを案出した。
1957年、アメリカグループ療法学会西部地区会議で論文「Ego States in Psychotherapy」を発表
1958年、アメリカ心理療法ジャーナルに「TA:新しい有効な心理療法」というタイトルでその論文が掲載され、それをもってTAは精神療法の一つとして認知されたと言われている。

バ-ンにとり、有能なセラピストは“本当の医者”であるべきだった。医学的に資格を持った人がセラピストだというのでなく、いかなるセラピストも医者に期待されると同じ責任を受け入れるべきという意味である。“本当の医者”は常に自分の患者を治すことを基本的かつ最大の目的にしなければならないとバ-ンは言っている。本当の治療者は、治療の各段階で自分がなにをし、なぜそれをするのか把握しておくために、治療計画を立てねばならない。こうした特質は現在でもTAを応用するセラピスト、プラクティショナ-に要求される。